わたしの一番好きな果物は、リンゴです!

  そんなふうに言いふらしていたら、あんりさんが
  
  こんなに素敵な絵を描いてくださいました。

  りんごをむしゃむしゃ食べようとはりきっている

  ジンジャー姫!勇ましいですね。(^_-)

  こんな大きなりんご、食べてみたいなあ!


  あんりさん、素敵な絵を、いつもありがとう。


        りんご姫ジンジャー


次の文章は、みわこさんからいただいた、「りんご姫」第1話です。ご一緒に楽しんでね。

「りんご姫」
     作:高滝美和子

 アップル王国のジンジャー姫は、大のりんご好きでした。
朝、昼、晩、全部りんごでもいいくらいです。ですから、お城の料理長、プルは、りんごのメニューを一生懸命考えました。アップルパイに、アップルケーキ、アップルクッキーに、アップルジュース、アップルコンポートに、アップルスープ、アップルステーキ、アップルパエリア・・・・・。プルの腕は、とても良かったので、姫の食卓は、いつもりんごのいい匂いでいっぱいでしたし、その味も美味しいしで、もう姫はいつも大満足でした。もちろん、生でそのまま食べるりんごも、大好きなんですけどね。
 
 さて、そんなある日のこと。姫は、ちょうど城に滞在していた吟遊詩人から、ある噂を聞きました。
「姫。それはそれは大きなりんごが、あるのです。」
彼は、姫の瞳をじっと見つめながら言いました。姫は、「り」と聞いただけで、もう頭の中は「りんご」のことで、いっぱいになりました。
「そ、それは一体どこにあるの?」
「それは、世界の果ての国にあるのです。」
「世界の果てって、何処なのですか?」
そう姫が聞き返すと、詩人は答えました。
「それは・・・」
「それは?」
「それは・・・・」
あんまりじらすので、姫は怒り出しました。
「もう! いつまで、もったいぶっているの!」
これには、詩人もたじたじ。慌てて答えました。
「それは、ここから山を百以上越えなければいけません。」
「百以上ですって?」
これには、姫もびっくりしました。でも、すぐに大きなりんごが頭の中に浮かび、ごくりと唾を飲み込みました。

  (つづく)


 続きは、なんと聖子さんからいただきました!

「りんご姫」その2
    作:オリーブ聖子

「それで、その林檎は一体どのくらい大きいのですか?」
「そうですなぁ、例えて言うと、中をくり抜けば部屋が一つすっぽり入るくらいの大きさです。」
「えっ!部屋が一つですって!」
その時、吟遊詩人が思い浮かべていたのは、3畳一間の自分のボロアパートの部屋でたが、お姫さまが思い浮かべていたのは、50畳の自分の寝室でした。
ジンジャー姫は、頭の中で素早く計算しました。そして、ニッコリ笑うと吟遊詩人に言いました。
「すぐに出発しましょう。それだけ大きな林檎があれば、アップル国の国民一年分の食事が作れるわ」
すると、横で話を聞いていた料理長のプルが慌てて言いました。
「お姫さま、ちょっとお待ち下さい。そうなると、この国の果樹園で取れた林檎はどうすれば良いのでしょう?」
「そうねぇ…」と、ジンジャー姫は腕を組んで考え込みました。
「そうだわ!名案があります。メルヘン国に輸出して、アンパン一年分と交換してもらいましょう」
「しかし、交換してくれるでしょうか?」
「私から、セナヤ国王に手紙を書いてお願いしてみます。セナヤ国王はとても優しい王様なので、きっとオマケに、カレーパンとショクパンも付けてくれると思いますよ」
すると、料理長プルはものすごく嬉しそうな顔をしました。
「それはいいですなぁ、林檎以外の物を食べるのは久しぶりです」
「では、セナヤ国王に手紙を書いたら、すぐに出発するので、何かお弁当を用意して下さい」
「はい、ただ今すぐに!」
「リュックサックいっぱいの林檎飴も忘れずにね!」
「はいはい。10本の水筒に林檎ジュースを入れ、林檎おにぎりと、林檎サンドイッチをたっぷりお作りいたしましょう」
プルは太ったお腹をプルプル震わせながら、小走りに調理場の方へと走ってゆきました。
        
(つづく)


 3話目は、さくらさき@花さんからいただきました。

「りんご姫」その3
        作:さくらさき@花

 お姫様は、愛犬のリゴを呼びました。リゴは、大変鼻がきいて、りんごの香りがするとあっと
いう間にお姫様をひっぱっていってくれるのです。だから、リゴは役に立つかもしれません。
「いい、リゴ、これから大きなりんごを探しに行くの。だから、おまえはその鼻をよくきかせて
大きなリンゴを見つけるのよ。旅には、もちろん連れて行ってあげるわ」
「ですが、お姫様」
 いつの間にか用意を終わらせてこっちにやってきたプルがいいました。
「リゴ用のアップルドッグフードは誰が持つのです。私はこんなに大きな食材を持つだけで
たくさんです。詩人さんだって自分用の荷物を持つわけですし」
 お姫様は、りんごのためならどんな苦労もしりません。自分で責任を持って自分でえさも
持つからと言い、王様からもお許しをもらって旅に出かけました。
 彼女が持った荷物は、コンパス、リゴのえさ、服の着替え、念のためのリンゴ七個と、
タオル、つばが大きくてゴムつきの帽子などで、服は動きやすい用につくられた長ズボンと
上着でした。胸には金色のりんごのマークがついています。アップル王国の目印なのです。
プルは、やはり大きな食料を持っていて、着替えは姫とほとんど変わらない服装でしたが、
いつものコック服の方が好きなようでした。そして、詩人は、詩を書くためのノートとペン、
後地図を持っていました。これはメルヘン国に住んでいる魔女に魔法をかけてもらったので、
りんごまでの道が銀色で出てきて、今いるところが青く光っていました。実は、この魔女から
りんごを教えてもらったのです。そして、りんごがある場所は赤い大きなりんごマークでした。

「さあ、出発!ねえ、詩人さん、どこに向かって行けばいいの?それがわからなきゃ!」
「あの山ににむかって歩くのです。遠くに高い山が見えますね。そこのてっぺんです」
 プルはゴクリとつばを飲みました。とんでもない!あんな山に登るなんて。でも、よく見ると
登れないこともなさそうです。でも、太ったプルは、この旅で自分は何キロくらいやせるかな
と考えてしまうのでした。
「一番最初はあの山に登るのですね。一番高い山と比べるとたいしたことないですね」
 とお姫様は丁寧に聞きました。詩人は銀色の目でお姫様を見、うなずきました。ガタガタ、
馬車がゆれています。のどかな美しい景色が後ろにすぎさっていきます。
 馬車?ええ、そうです。三人は、実を言うとその山の下まで馬車で運んでもらっていたの
です。山に登る前に力を使ってしまうとダメだからです。三人はそれからグッスリ眠りました。
それは頭のいい人が使う時間の使い方でした。力も蓄えられるからです。
  三人とも三時間ほど寝て同時に起きました。山に近づき、お姫様はドキドキしてきました。
大きなりんごに近づく、生まれて初めての歩く旅なのです。王様と一緒にきれいな景色を見
に行くため、馬車に乗っての旅はよくありますが、今度はただ乗ってればつくというものじゃ
ないのです。自分の足で苦労して、頑張って初めてつくのです。プルも、詩人も、緊張してる
みたいです。
(つづく)

さきちゃん、ありがとう。さくらさきちゃんは、ハリー・ポッターシリーズの大好きな
   小学生の女の子です。素晴らしい想像力と表現力ですね。楽しみです!

「りんご姫」のお話は、「みんなのプチみー展」の中で、高滝美和子さんが完結篇を
   書いてくださっています。そちらも、お楽しみくださいね。