雨女のくせに、雨が苦手です。ことに、６月のじとじと雨には、気が滅入ってしまいます。 　　　何にもする気がしなくて、ぼぅーっとただ雨音を聞いていますと、「カタン」と音がして、 　　玄関に何かが投げこまれました。 　　「何かしら？」 　　　それは、妙に細長い荷物でした。中からシャラシャラと音がします。開けてみると、長さ 　　１メートル２０ｃｍほどの、竹筒のような物が出てきました。筒の周りには、民族調の模様 　　が描かれています。そして、こんな手紙が添えられていました。 　　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　 　　　わたしは、レインスティックを両手で持ち上げると、斜めに傾けてみました。 　　　ザザザーっと、まず水が流れるような音がして、最後にパチパチパチっとはじけるような 　　音が残りました。なんだか、心が癒される音です。わたしは、夢中になって、何度も何度も 　　レインスティックを傾けました。