｢毎度ありがとうございます。こちらの 　おばあちゃんには、お世話になっております。」 　「ちょっと待って。おかあさんは、お金なんて、 　大して持ってないはずだけど、、、。」 　「はい。でも”思い出”をたくさん持っていらっしゃい 　ます。」 　　男は白い歯を見せて、にっこりしました。 　「思い出？あなたたち、他人の思い出を、一体 　どうしようっていうの？」 　　男は、カバンからパンフレットをとり出しました。 　「実はですね、お客様方の想い出を、天国にある 　『記憶図書館』に預けましてですね、貸し出しを 　させていただいているのです。」