「しかし、それでもわたしには、誕生日に 　プレゼントを送ってくれるような、親戚も友人も 　おらんのです。まぁ、ほとんどは、あちらの方に 　行ってしまいましたから・・・。」 　彦造さんはそう言って、天井の方を指差しました。 　「彦造さん、失礼ですが、ご自分の生まれた日の 　ことを、誰かに聞いたことがありますか？」 　青年が、まっすぐな目をしてたずねました。 　「わたしが生まれた日のこと・・・？うーん、父親も 　母親も、とっくに亡くなってしまいましたから。 　そうそう、たしか、星のきれいな晩だったと聞いて 　います。父親は、わたしが生まれる時刻に、 　流れ星を見たそうです。」 　「それです！それが証拠です。」 　青年は、うれしそうに言いました。 　「流れ星が地球に落ちたときに生まれた子供は、 　みんな『星のぼうや』なんです。」 　「星のぼうや？」