エンドロール 　　せっかちな家庭で 　　育ったわたしに 　　待って！ 　　映画はね 　　エンドロールが 　　消えるまで 　　余韻を楽しむものだよ 　　と、教えてくれたのは 　　あなたです 　　あなたが 　　いなくなった人生なんて 　　わたしにはもう 　　本編が終わったのも 　　同然だけど 　　あなたのことばを信じて 　　もうしばらく 　　座っていましょう 　　ひょっとしたら 　　最後の最後に 　　神さまの 　　小粋な演出が 　　残っているかも 　　しれませんし 　　エンドロールが消えて 　　真っ暗になった瞬間 　　わたしの横にあなたが 　　ふっと 　　立っているような 　　そんな気がするのです 　　　（２０１２年『詩とファンタジー』第２０号掲載）