その三人は、どこから見ても、不自然 　でした。 　真ん中の英国紳士風の男は、金の縁取り 　のついた、濃紺のスーツを着ています。 　向かって右の若い女性は、段々のフリルが 　ついたレースのワンピースを着て、うつむ 　いています。三人目のご婦人は、上品な 　小花模様のスーツを着ていました。三人 　とも、まあるくて平べったい、大きな顔を 　しています。 　（この人たちの洋服、どこかで見た 　ような・・・） 　わたしが頭をめぐらせていると、英国紳士 　風の男が、咳払いをして言いました。 　「わたくし達は、当家の洋食器組合の代表 　です。」 　「洋食器組合？」 　わたしは、びっくりして三人を見つめました。 　「もしかして、あなた達・・・。」 　三人は、丸くて平たい顔を赤くして、少し 　もじもじしました。