最近では、わたしが外出するとき、 　ポケットの中に忍びこんで、ついていき 　たがります。 　スーパーのレジに並んでいると、 　「ちょっと！何モタモタ打ってるのさ！ 　まったく、教育がなってないわね！」 　と叫んだり、まわりをキョロキョロ見回して 　「ほら、あっちのレジが開いたわよ、 　それ！」 　　　　　　 　なんて号令をかけるので、わたしは、 　はずかしくて真っ赤になってしまいます。 　　　　　　 　「まったく・・・。あんたときたら、よくここ 　まで無事に生きてこられたわね。」 　と、オバタリアンはわたしを見上げて 　言います。

わたしは、ムッとして言い返します。 　「何さ！“わたし自身”のくせに！」 　オバタリアンは憎々しげに言います。 　「早くアタシを飲みこめばいいじゃ 　ないの。楽になるわよぉ！いつまで 　ビクビク暮らしているのさ、人生は 　短いのよ。楽しまなくっちゃ。」 　そうして、ダイエット中のわたしの前 　で、ほかほかの鯛焼きを、おいしそう 　にむしゃむしゃとほおばるのです。 　夫は、こんな二人のやりとりを、 　にやにやしながら、楽しんでいます。