「なんて素敵な話だろう。」 　パンの魔女は、大きな体をゆすりながら、 　感嘆の声をあげました。 　「でも、わたしの悲しみのほうが、もっと 　大きかった。」 　霞の魔女がつぶやきました。 　「わたしの涙のほうが、ずっときれい 　だった・・・。」 　虹の魔女が続けました。 　それから後は、いつものとおり。 　魔女たちは、口々に自分の過去を 　語り始めるのです。 　うっとりと、魔法の木を見あげながら、、、。

ひかりの魔女が女に言いました。 　「この木にむかって、三日三晩、あなたの 　悲しみを語り続けるの。 　そうすれば、あなたは、魔女になれるわ。 　わたしたちと同じように。」 　三日三晩たって、ひとりの魔女が誕生した 　その日、レイチェル・ピリトの森から、 　ひとりの魔女が姿を消しました。