「はい。頑張ってください。」 　「しかし、その荷物はかなり重たそうだな。 　若い君ならともかく、わたしのような年寄り 　にも運べるだろうか・・・？」 　「大丈夫です。毎年、どなたも立派に成し遂 　げられています。」 　「『その時』がくれば、きっとどうすればいいか、 　わかるんでしょうな。」 　「はい。今晩は、きっといいお天気になります。 　天の川も、はっきりと見えるはずです。」 　青年は、真っ白な歯を見せて、さわやかに 　笑いました。 　「もしかすると、君もその・・・。『星のぼうや』 　なのかい？」 　　彦造さんがたずねると、青年は黙ったまま、 　にっこりと肯きました。 　「そうかい。たしかに君の言うとおりだ。 　『星のぼうや』といると、幸せな気分に 　なれる。」