くいしんぼうのおひめさま 絵:若森あんり 作：おびきみつこ

あるところに、とってもくいしんぼうなお姫様が 　いらっしゃいました。 　　どれほどくいしんぼうなのかと申しあげますと、 　とにかく見るものすべて、なんでも食べたがるので 　でございます。 　　　お姫様がお生まれになったとき、王様とお妃様は 　 　たいそうお喜びになられました。それはそれは、愛情を 　注いで、育てられたのでございます。 　　 　　　ところで、赤ん坊というものは、はいはいをするように 　なると、　自分の身の回りにあるものは、なんでも 　かんでも、口にに入れてしまうものです。 　　　王様とお妃様は、「大事な姫が、妙なものでも口に 　したら大変じゃ！」とお考えになり、優秀な菓子職人を 　 　集めると、お姫様の部屋にあるすべてのものを、 　甘い砂糖菓子で作らせたのでございます。