「そうだったの。そういえばこのところ、冷蔵庫 　の整理、ずうっとサボっているものね。」 　わたしは、ちょっぴり反省しました。 　「頼むよ。レイコさんがダイエットできるように、 　協力してあげてくれないかな。この頃じゃ、 　レイコさん、太りすぎがはずかしいって、 　ちっとも出てきてくれないんだ。」 　「それを言うために、アラン君、わざわざ 　わたしを待ってたのね。」 　アラン君は、しっかりと肯きました。 　「わかったわ。せっかくのアラン君の初恋 　ですもの。わたしも、ひと肌ぬがなくっちゃ！」 　「早めに頼むよ。僕が、おじいちゃんになら 　ないうちにさ。」 　「はいはい。さっそく明日から、とりかかるわ。 　アラン君も頑張ってね！」 　「うん。」 　アラン君の頬が、また薔薇色に染まりました。

「そうそう、ずっと気になってたんだけど 　・・・。アラン君、前髪が濡れてるわ。 　タオル、持ってこなくっちゃ。」 　「大丈夫。余熱ですぐ乾くから。乾燥時間を 　６０分にセットしてくれると、全部乾くんだ 　けどな。」 　「OK！これからは、気をつけるわ。」 　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊ 　　　　　 　　翌日から、わたしは覚悟を決めて、冷蔵庫 　の整理にとりかかりました。古い食品を 　どっさりと捨てて、内側も外側も、ピカピカに 　磨きあげました。これでレイコさんも、 　スマートな色白美人になれたでしょうか・・・。